家の快適さを大きく左右するのが、窓の性能です。とくに窓枠に使われる「サッシ」は、断熱性や結露のしにくさ、さらには光熱費にも関わるため、住宅づくりの中でも重要な部分といえます。そこで本記事では、代表的なサッシの種類とそのメリット・デメリット、高性能なトリプルサッシについてご紹介します。
主要な窓サッシの種類と特徴
サッシにはいくつかの種類があり、それぞれに得意・不得意があります。素材が変わるだけで断熱性能も価格も変化するため、比較しながら自宅にあうものを選ぶことが大切です。アルミサッシの特徴
アルミサッシは昔から多くの住宅で使われてきた一般的なサッシです。価格が安く、軽くて丈夫なため扱いやすく、外への設置にも適しています。一方で、アルミは熱を伝えやすいため断熱性が低く、室内外の温度差が大きい時期には結露が発生しやすい点が課題です。結露を放置するとカビが生えやすくなり、健康にも影響を及ぼします。
アルミ樹脂複合サッシの特徴
アルミと樹脂を組み合わせた複合サッシは、内側に断熱性の高い樹脂、外側に耐久性の高いアルミを使うことで、使い勝手と性能を両立しています。断熱性はアルミサッシよりも高く、結露の発生も抑えやすくなります。ただし、樹脂サッシほどの断熱性能はなく、価格もアルミサッシよりやや高めです。
樹脂サッシ・木製サッシの特徴
樹脂サッシは熱を伝えにくい素材でできており、高い断熱性能が魅力です。室内の温度が保たれやすいため、冷暖房の効率向上にもつながります。価格は高めですが、結露が起きにくい点は大きなメリットです。また、木製サッシも高い断熱性をもち、木の風合いによるデザイン性にも優れています。ただし、メンテナンスが必要で、価格帯もさらに高くなります。
窓サッシ選びで重視したい性能
サッシを選ぶ際は、素材だけではなく性能面にも注目すると、暮らしやすさが大きく変わります。なかでも断熱・結露・防音といった要素は日常生活の快適さに直結します。断熱性能と結露のしにくさ
窓は住まいの中でもっとも熱が逃げやすい場所といわれています。そこで断熱性の高いサッシを選べば、冬は暖かく、夏は涼しい空間を保ちやすくなるのです。また、結露の発生を抑えられるため、カビの発生や家具の劣化を防ぐことにもつながります。樹脂サッシや複合サッシはとくに断熱性が高いため、寒さの厳しい地域でも安心です。
防音性能や防犯性能
窓は音が入りやすい部分でもあります。車通りが多い場所や集合住宅では、サッシやガラスの性能によって静かさが大きく変わるものです。また、防犯面でも窓は侵入経路になりやすいため、ガラス破りに時間がかかる仕様や、鍵の構造が強化されたサッシを選ぶことで安心感が高まります。
経済性とランニングコスト
断熱性が高いサッシは初期費用が高くなることがありますが、冷暖房にかかる光熱費を抑えられるため、長期的に見ると経済的です。エネルギー費用が上がりやすい今の時代では、快適性と省エネ性を両立させる意味でも、ランニングコストの視点は重視したいところです。ガラスの種類とトリプルサッシの特徴
窓の性能はサッシだけではなく、使用するガラスの種類によっても大きく変わります。断熱を重視する家庭では、ガラスの構造にも注目するとよいでしょう。ペアガラスとトリプルガラスの違い
現在主流となっているペアガラス(複層ガラス)は、2枚のガラスの間に空気層をつくることで断熱性を高めています。一方、トリプルガラスは3枚構造になっており、空気層が2つあるため、さらに断熱性能が高くなります。Low-E膜やガスを封入したタイプは、より効率よく熱の出入りを抑えることができるでしょう。
トリプルサッシのメリット
トリプルサッシは断熱性が高く、外気温の影響を受けにくいのが特徴です。冬の寒さが厳しい地域や、高断熱仕様の住宅ではとくに効果を発揮します。加えて、結露の抑制、防音性の向上にもつながるため、快適な環境づくりに役立ちます。
トリプルサッシのデメリットと注意点
ガラスが増える分、重量が重くなる傾向があります。そのため、樹脂サッシと組み合わせる場合、フレームが太くなることや開閉の重さを感じるケースがほとんどです。ただし、最近は軽量化が進み、使いやすさを向上させた製品も増えています。また、性能が高い分、価格帯はペアガラスよりも高くなる点にも注意が必要です。






