平屋を建てる際、「どれくらいの土地が必要なのか」「家族の人数だと何坪くらいの建物が適切なのか」といった疑問が出てきます。平屋はワンフロアで生活が完結するため、家事がしやすく、将来の暮らしにも柔軟に対応できる住宅です。本記事では、家族構成から考える平屋の建物の広さ、建ぺい率を踏まえた土地の広さの目安などを紹介します。
家族構成から考える平屋の建物の広さ
平屋の計画では、まず建物そのものが何坪必要かを把握しておくことが大切です。暮らす人数によって必要な面積は変わるため、家族構成を元にした「暮らしやすい延床面積」の目安を知っておくと安心です。以下で見ていきましょう。
家族人数ごとの延床面積の目安
国土交通省が示す「誘導居住面積水準」をもとにすると、家族の人数に応じた住まいの広さの目安を考えることが可能です。具体的には、一般的な世帯で考える場合、2人ならおよそ25~30坪、3人なら30~35坪、4人家族で約38坪が快適に暮らせる広さの基準とされています。なお、都市部のコンパクトな暮らしを想定した場合でも、4人家族で30坪前後がひとつの目安です。
平屋は2階建てより面積が必要
平屋の場合、生活空間がすべて1階に集まるため、廊下の取り方や部屋の配置によって必要な面積が少し増えることもあります。また、収納や玄関回りをゆったり確保したい場合、基準よりも1〜2坪ほど余裕を見ておくと動線にゆとりが生まれます。家族の将来像もふまえて坪数を決める
子どもの成長や将来の同居といった未来の変化についても考えておくと、後悔しにくい間取りになります。もし、将来的に部屋を増やしたい場合は、仕切りやすい配置を意識しながら、少し広めの延床面積を確保すると暮らしがラクになります。必要な土地の坪数をどう考える?
平屋の建物が何坪必要かわかったら、次は土地の広さを考えましょう。平屋は横に広がる分、建物の坪数と同じだけでは足りません。土地の広さには「建ぺい率」と呼ばれるルールが大きく関係します。以下でくわしく解説します。
建ぺい率によって必要な土地が変わる
建ぺい率とは、敷地面積に対して建物が占めてよい割合のことです。たとえば、建ぺい率50%なら、敷地の半分までしか建物を建てられません。平屋は1階部分がそのまま建物面積になるため、建ぺい率が低いと必然的に広い土地が必要になります。
土地面積の計算方法
「なんだか難しい」と感じる方もいるかと思いますが、考え方はとてもシンプルで、建物の坪数 ÷ 建ぺい率でおおよその土地の広さがわかります。たとえば、4人家族の目安である約38坪の平屋を計画する場合、建ぺい率50%なら76坪、60%なら約63坪ほどが必要になります。実際には駐車スペースや庭の広さも考えるため、少し余裕をもって70~80坪前後を見ておくと安心でしょう。
地域ごとのルールも確認する
土地によっては、建ぺい率が40%のところもあれば、60%や70%などの場所もあります。また、駐車場を複数台置きたい場合や庭を大きく取りたい場合には、広めの土地が必要です。これから土地探しをする際は、価格だけではなく建ぺい率や道路付けなど、平屋の計画に影響する条件もあわせて確認すると、後悔のない選択ができます。
坪数別に見る平屋の間取りの考え方
同じ平屋でも、20坪台と30坪台ではできる間取りが大きく変わります。具体的なイメージがもてるよう、坪数ごとにどんな暮らし方がしやすいかを見ていきましょう。20坪台の平屋
22~28坪ほどの平屋は、コンパクトながら工夫しだいで快適に暮らせます。水回りをひとつの場所にまとめると家事がしやすくなり、廊下を少なくすることで部屋を広く確保できるでしょう。また、吹き抜けや勾配天井を使えば、床面積以上の開放感が生まれます。ロフトを設ければ収納量が増え、子どもの遊び場としても活用できます。
30坪台の平屋
30坪台になると、3LDKや4LDKの間取りも無理なく計画できます。リビングを中心に配置し、玄関からキッチンや洗面の動線が短くなるように工夫すると、家族が自然に集まる暮らしやすい空間になります。また、来客スペースや書斎のように、ひとつの部屋を多用途に使える間取りが取り入れやすくなる点も特徴です。






