キッチンや洗面、収納の位置を見直し、家の中の移動を少なくすることで、料理や洗濯が自然にスムーズに進みます。最近は「回遊できる動線」や「洗濯が一か所で完結する配置」など、家事のしやすさを重視した間取りが注目されています。本記事では、暮らしの負担を減らし、家族みんなが過ごしやすくなる人気のアイデアを見ていきましょう。
目次
水回りをまとめた回遊動線で家事をスムーズに
キッチン、洗面脱衣室、ランドリールーム、浴室といった水回りは、場所が離れていると何度も行き来する必要があり、動く距離が長くなるほど負担が増えてしまうものです。そこで、これらの空間を近くに集め、ぐるりと回れるような動線を作ると、料理と洗濯を同時にこなすときもスムーズに進みます。洗濯機の音を聞きながら料理をしたり、下ごしらえの合間に洗濯物を取り出したりと、小さな動作が自然と片付き、時間にゆとりが生まれます。回遊できることで行き止まりがなく、家族が同じ場所に集まる朝の支度時間でも動きやすくなるでしょう。
また、掃除の際にも動きやすく、家の中を短い時間で整えられるのもこの間取りの魅力です。忙しい日でもムダな移動をなくし、自然に家事のしやすさを感じられる動線といえます。
洗濯の「洗う・干す・しまう」を近くで完結させる
洗濯は家の中で移動が多い家事のひとつです。毎日続けるため、動線が長いと負担が積み重なります。そこで、洗濯機、干す場所、衣類をしまう収納をできるだけ近くに集めた間取りが人気です。洗濯機が置かれたランドリールームのすぐそばに室内干しスペースを設け、その隣にファミリークローゼットを配置すると、洗ったらすぐに干し、乾いたらその場で片づける流れができます。
わざわざ別の階へ行く必要がないため、重たい洗濯物を運ぶ手間もなくなります。また、室内干しができる環境であれば、天気を気にせず洗濯ができ、花粉が気になる季節でも安心です。
さらに、乾いた洗濯物をそのままクローゼットへしまえるため、リビングに洗濯物が出しっぱなしになりにくく、部屋の中が散らかりにくくなります。毎日のことだからこそ、「洗う・干す・しまう」をワンフロアで完結させることは、大きな時短効果につながります。
玄関からキッチン・パントリーへ直行できる便利な動線
買い物帰りに重い荷物を持って家の中を移動するのは、意外と負担が大きいものです。そこで役立つのが、玄関からキッチンやパントリーに直接つながる動線です。玄関からまっすぐ食品や日用品の収納スペースへ向かえるため、荷物を持ったまま家の奥まで移動する必要がなく、買い物後の片づけが早く済みます。とくに子育て中の家庭では、まとめ買いをすることが多いため、動線の短さが大きなメリットになるでしょう。
また、玄関側からパントリーに入り、そのままキッチンへ抜けられる動線にすると、料理中の家族の動きをジャマせずに物をしまえる点も便利です。さらに、勝手口を活用すれば、ゴミ出しや外での作業と行き来もしやすく、家の内と外の動きが滑らかになります。
日常のちょっとした負担を軽くし、帰宅後の時間を快適にする動線として、多くの家庭で採用されています。
室内干しスペースと設備を整えて天候に左右されない暮らし
最近は、花粉やPM2.5、天候の変わりやすさから室内干しが一般的になっています。そこで、乾燥機と室内干しスペースを組み合わせた間取りも人気です。とくにガス乾燥機のようにパワフルに乾かせる設備があると、短時間でふんわり仕上がり、忙しい家庭でも助かります。しかし、乾燥機にかけられない衣類もあるため、その場合は壁付けの物干し設備を近くに設けることをおすすめします。
また、ランドリールームに室内干し用のスペースを隣接させておけば、洗濯物を広げる場所が確保され、乾いたらすぐに片づけられて家事全体の流れがよくなるでしょう。さらに、換気や除湿がしやすい配置にすると、カビの心配が少なく、洗濯物が早く乾きやすい環境をつくれます。
天候に左右されない洗濯動線は、毎日の家事の負担を大きく減らし、季節問わず快適に暮らせる家づくりに欠かせません。
動線に合わせた収納で散らかりにくい暮らしをつくる
収納は量よりも場所が大切です。家の中でよく使う物を、使う場所の近くにしまえるようにすることで、片づけが自然と習慣になり、散らかりにくい空間がつくれます。たとえば、玄関の近くにコートやバッグをしまえる収納を設けると、帰宅後にリビングへ持ち込む物が減り、部屋が整った状態を保ちやすくなるでしょう。キッチンでは、調理器具や食品を作業スペースの近くに収納すると、出し入れがスムーズになり、料理中のムダな動きを減らせますし、洗面室では、タオルや洗剤を必要な位置に置いておくと、生活に必要な動作が自然と完結します。こうした「使う場所にしまう」収納は、動線に沿って家全体に取り入れることで、探し物が減り、片づけのストレスも少なくなります。
